Page 187 - 東京情報大学 学生ハンドブック2019(大学院総合情報学研究科・総合情報学部・看護学部)
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 ネットワーク利用ポリシーの根拠  コンピュータネットワークによるコミュニケーション    コンピュータネットワークを利用した情報交換は私たちにとって今や欠くことのできないコミュニケーション手 段となっている。コンピュータネットワークを利用するものをユーザー,ネットワーク組織(およびその管理者) が提供するユーザーに提供する様々な利便をネットワークサービスまたは単にサービスといい,本学でも様々な サービスの充実をはかっている。  本学でユーザーが利用できる情報交換のサービス形態は,次のように分類できる。  ・個人から個人へ。電子メール,ソーシャルメディアサービス等  ・個人から特定グループヘ。メーリングリスト,WWW,ソーシャルメディアサービス等  ・個人から不特定多数へ。WWW,ソーシャルメディアサービス等  これら情報の到達範囲は現在では地球のほぼ全域をカバーするまでになってきている。コンピュータネットワー クはかつて人類が手にすることのできた最強の情報通信メディアであり,時間・空間を超えたグローバルなコミュ ニケーションを可能にしている。  しかしながら以下に説明するように,コンピュータネットワークによるコミュニケーションは郵便や電話,さら に新聞・テレビなどによる通信メディアとはその性質が異なり,本学のコンピュータネットワークを利用しようと する者は本学の利用規定を遵守する場合に限ってのみそのユーザーとなることができる。  個人がインターネットなどコンピュータネットワークを利用するためには,ネットワークサービスを提供してい るネットワーク組織・団体に加入し,利用資格を得なければならない。本学を含めこれらのネットワーク組織では そのユーザーに遵守させるべきネットワーク利用心得を定めている。これをAUP(Acceptable Use Policy)と 呼んでいる。  ある個人がネットワークサービスを受けるためには,その個人がネットワーク組織が定めるAUPを尊重するこ とをネットワーク組織が認定してはじめて可能となる。AUPから逸脱したネットワーク利用を行うユーザーに対 しては,それが属するネットワーク組織は利用制限や利用資格を剥奪することがある。ここに現在のコンピュータ ネットワーク機構を利用したコミュニケーションの特性がある。  従来の情報通信メディアである郵便・電話や出版を利用した場合,概してその個人だけの責任において活動する ことができる。―方,情報の伝播力において優れているコンピュータネットワークを利用した活動は,新聞,テレ ビなどのマスメディアで個人が活動するときのように,個人の責任範囲は微妙に制限される。端的に言えば,その 組織に属する個人の活動によって何らかの問題が発生した場合,その当人だけでなく,むしろその組織自体の管理 責任が問われることも少なくない。  したがって,ユーザーがそのネットワーク活動においてなす様々な行為は完全にユーザー個人だけの責任におい てなされているとは見なされ難く,対外的にはネットワーク組織に属するある個人として受け取られ易いことに注 意されたい。本学学生の電子メールアドレス(****@edu.tuis.ac.jp)を見ると誰もが了解するように,本学 のユーザーはネットワークドメイン名tuis.ac.jpで称される「東京情報大学」の一員であるとラベル付けされてお り,決して個人単独の名の下でネットワーク活動を行うことはできないことがわかる。  このようにしてネットワークユーザーは常にそれが属するネットワーク組織の管理下におかれている。ここで理 解すべきことは,AUPの遵守はネットワークユーザーの自由を維持するためのものであり,決してネットワーク 組織がユーザーのネットワーク活動を制限することにはないという点である。  ネットワーク組織の緊密な協調・連携で世界規模のネットワークサービスを構築しているインターネットでは, ネットワーク組織間の良好な関係の維持はネットワーク管理者にとって最優先の課題である。ひとたびネットワー ク組織間の接続が絶たれたならば,ユーザーはいかなるネットワークサービスも受けることができない。あるユー ザーが外部ネットワーク組織および個人にトラブルを与えた場合,多くの場合,その抗議はユーザーばかりでなく そのユーザーの属するネットワーク組織の管理者に通知され,最悪の場合にはそのネットワーク組織に何らかの対 策がとられることがある。このことは,たとえ一握りのユーザーが引き起こした問題であってもネットワーク組織 情報サービスセンター AUPと個人の責任   AUPの必要性    185  


































































































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