はじめに

この章では、Band6抜きの画像から水域のみの画像水域以外の画像Mask解析により作成し、水域のみの画像に関しては教師なし分類を行なう。

その後、水域以外の画像は、植生関連のMask解析に利用され、教師なし分類を行なった水域のみの画像は、土地被覆分類(次節)に利用される。

 

Band4のみの画像を作成

水域関連の処理を行なう上での一番最初の工程である。

この節では、水域部分をよく反射するBand4の波長を利用し、水域部分の見分けがつきやすい画像を作成する。この場合、グレースケールで出力されるが、真っ黒く反射して出力されたものが水域部分である。

Band6抜きの画像をもとに、Band4の波長だけを利用した画像を作成する。なぜならば、Band6抜きの画像の場合、水域と水域以外の境界が判断しづらく、正確に切り分けることが出来ない。しかし、水域部分をよく反射するBand4の波長だけを利用することによって、その問題は解決できる。

作成するにあたっての重要点として、一つは、 Band6抜きの画像は、TypeContinuousであるが、Band4のみの画像を作成するときにはTypeThematicに変える。その理由は、Maskファイル(次節参照)を作成するにあたって、コード変更(Recode)をしなければならない。この場合、純粋な反射データであるContinuousではなく、純粋な反射データをグループ分けし、データを簡略化したThematicでなければRecodeできないからである。もう一つは、レイヤーをBand4のみにする。これは、Maskファイルを作成するにあたって、水域部分と水域以外の部分を切り分けるときに、明瞭かつ正確にするためである。

 

Maskファイルの作成

この節では、前節で作成したBand4のみの画像を活用して、自己の判断で水域以外と水域部分を区別して、水域以外のMaskファイル水域のみのMaskファイルを作成する。

重要点として一つは、水域以外と水域を見分けることである。これは、自己の判断によって決まるもので、センスと能力が問われる。見分ける方法として、Band6抜きの画像とBand4のみの画像を見比べて判断していく。そのとき、Band6抜きの画像のRGBを変えるとより分かりやすくなる。湿地は水域以外と判断する。土地被覆分類(最終章)を行なった際に、水域以外と水域との境界線に湿地となる場所ができるように心がけて見分ける。


Maskファイルを利用してMask処理を行なう

この節では、前節で作成した二つのMaskファイルをそれぞれ利用して、Band6抜きの画像から型抜き作業を行なう。これにより、水域以外のBand6抜きの画像水域のみのBand6抜きの画像に分けられる。

それぞれのMaskファイルとBand6抜きの画像を重ね合わせて、Mask処理を行なう。水域以外のBand6抜きの画像は、植生関連のMask処理を行なう際に必要である。水域のみのBand6抜きの画像は、教師なし分類を行なう際に利用する。

 

水域の教師なし分類(Unsupervised Classification

最終節では、Mask処理を行なった水域のみの画像をつかって、教師なし分類を行なう。これは、土地被覆分類を行なうために必要な作業である。水域の場合の分類クラスは、2クラスである(1クラスに出来ない)。水は水であるから水をどう分類しても水であり水は水にしかなり得ない。分類する必要がない。

教師なし分類とは、対象物が明らかでない場合の分類方法で、無作為にサンプリングされた画素データを比較的等質と考えられるグループに分割する。教師付き分類の場合は、対象物が明らかな場合の分類方法で、画像中の領域からデータを抽出する。



土地被覆分類