疲労について
なんとか試合中の疲労を最小限に留められないかと考え、「疲労の仕組み」について調べました。
- Qu.1★長距離走った後の全身のダルさと、筋トレ後などの局部的な筋肉疲労と疲労の仕組み(原因)は同じか?
- Qu.2★試合中の疲労回復について。試合中、疲労回復を促進する方法はあるか?
- Qu.3★試合日前の練習や、試合当日のアップについて。前日は練習をしない?当日のアップの注意点は?
「疲労の仕組み」について。
疲労学という学問が成立するぐらい奥が深く、「疲労」の原因もいくつかの説があるようです。
疲労物質の蓄積、エネルギー源の枯渇、体内のバランスが崩れる、中枢神経の疲弊、などが関わっているとされています。
- ★1)長距離走と筋トレの「疲れ」の違いについて。
長距離走のエネルギーは主に有酸素系(主に脂質)で、筋トレは乳酸系または解糖系(主に糖質)ですので、「疲れ」の原因も違いそう。
筋トレは、筋肉内のエネルギー(糖質)の枯渇に加えて筋肉の破壊によるパワーダウンもありそう。
- ★2)試合中の疲労回復のためのエネルギー補給については、おにぎりなどのデンプンより、バナナなどの単糖類の方がエネルギー量が高く、吸収も早い。
また、オレンジやレモンなどでクエン酸を同時に採ると、さらに効果が高い。
食事は、競技後すぐに採った方が早く蓄積される。
ビタミン類や鉄分も重要。また、水分はのどが乾く前に少量づつ糖質濃度が低い(6-8%)ものを補給するのが効果が高い。
- ★3)試合前の練習については、試合に向けて、徐々にトレーニング量を減らす方法をピーキングといい、ピーキングの期間は練習の頻度と時間を減らしながら、練習の強度を維持すると効果が高い。
試合前ウォームアップは、気温によって時間を調整すると良く、暑熱環境下では、短くウォーミングアップを行う。
また、暑熱環境下では、涼しい環境で行った方が良い。
疲労についてのまとめ
- ○持久力向上には
- ★1)全身持久力を高める最大酸素摂取量を伸ばす有酸素性トレーニング
- ★2)筋持久力を高めるための筋力トレーニング
- ★3)筋疲労を遅らせるためのインターバルトレーニング
などが重要。
- ○通常の練習ではオーバートレーニングにならないように、疲労を上手にマネージメントしながらトレーニング効果を高めるのが重要。
- ○最新の研究では、乳酸は疲労物質ではなく、逆にエネルギーが足りないところを補い、疲労を和らげる物質であると報告されている。
[参考文献]
- [1]スポーツ生理学の基礎知識、チームO2(編)、山海堂出版、2004年
- [2]使えるスポーツサイエンス、征矢英昭・本山貢・石井好二郎(編)、講談社サイエンティフィク、2002年
- [3]Science誌, Vol.305 No.5687, pp.1112-1113, 2004年8月